●少年老い易く学成り難し

読み(ひらがな)

しょうねん おいやすく がく なりがたし。

意味

若いと思っても、すぐに年をとってしまう。しかし、学ばなければならい学問を、 しっかり身につけるのは、なかなか難しいということ。

解説

時間というものは、あっという間に過ぎ去ってしまい、気がついた時には、 もう老人になってしまい、学ぶべき学問は、いっこうに身につかない、という ことになってしまうから、若いうちから、わずかな時間であっても、その時間を 大切にして、学ぶべきであるという、いましめであり、朱子学を、まとめ上げた人の書いた詩のようです。 この句の後ろには、「一寸の光陰軽んずべからず」=「短い時間だからといって、軽く見ては いけない」という句が続いているようです。そこで音吉からの提案。わずかな時間であっても、 毎日やれば、1年間では、365倍になり、たとえば、1日に、10分だけ、本を読んだとしても、 1年では、60時間読んだことになります。毎日少しずつ、何かを身につけることの大切さが、 分かるような気がします。

重要語の意味

少年=7から18才ぐらいまでの大人にならない人。  老い=年をとること。  易い=「やすい」と読み、かんたんに、そのようになってしまう。  学=「がく」と読み、何かを教えてもらったり、まねをしたりして、 あることを身につけること。  成る=「なる」と読み、学問などをしっかりと自分のものにする。しあげる。  難し=「がたし」と読み、前の文の意味をするのが、難しい。  朱子学=「しゅしがく」と読み、宋の時代に、朱熹(1130-1200)が、 まとめ上げた新しい儒学。宋学。性理学。  一寸の光陰=「いっすんのこういん」と読み、非常に短い時間。 

いわれ(歴史)と重要度

朱熹(しゅき)があらわした、偶成(ぐうせい)詩の一句。    重要度=☆☆☆

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朱子学

儒学は、孔子が始めた学問のことです。 この儒学は、長い間、中国で、発達した学問で、宋の時代には、 この儒学に、新しい考え方を加えた、宋学(そうがく)という学問が 生まれたようです。その後、朱熹(しゅき)という人が、この宋学に、 さらに新しい考え方を加えて、まとめ上げたものが、朱子学(しゅしがく) のようです。日本では、江戸時代に武士の学問として導入されたようです。

宋学は、陰陽五行説、老荘思想、仏教などの影響を受けている儒学のようで、 朱子学は、宋学をもとに、宇宙という存在を考え方の基本にしているようです。


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