●泡沫夢幻

読み(ひらがな)

ほうまつ むげん

意味

すべての存在は、水のあわのように、はかなく実体がないことをたとえたことば。

解説

泡沫とは、たぶん、川が流れている所で、川の底に少しの段差があり、滝のように水が落ちると、そこにたくさんのあわが 次々とあらわれてきます。その時のようすを表現したのだと思います。泡沫という言葉は、仏教で使われるたとえのようです。 智慧のある人お釈迦さんが、存在するさまざまなものを見た時、その存在するものの性質を見抜いて説明した時に、たとえた言葉のようです。 すべての存在は、川の流れの表面に生じてくる、あぶくのように生まれては消え、また、生まれては消え、常に変化して実体がないため、 夢やまぼろしのように見えると、たとえたようです。私たち凡夫からすると、説明していることの意味がよくわかりませんが、 さとりを開いたお釈迦さんには、すべてのものが、そのように見えたのだと思います。それだけ、真理をさとるということが、難しいということなのかもしれません。

重要語の意味

泡沫=「ほうまつ」と読み、@水の表面にできるあわの集まり。うたかた。Aはかないことのたとえ。  夢幻=「むげん」と読み、@ゆめとまぼろし。Aはかないことのたとえ。  泡=あわ。水が空気を包んで丸くなったもの。すぐに消えてしまうもの。  沫=@水のあわ。Aしぶき。  夢=@ゆめ。Aあきらかでない。  幻=@まぼろし。A変化する。Bまどわす。  存在=「そんざい」と読み、ものや人などがあること。目に見えたり音に聞こえたりするもの。  はかない=すぐにきえてしまいそうなようす。  実体=「じったい」と読み、ほんとうのすがた。  段差=「だんさ」と読み、高さがちがうこと。  滝=「たき」と読み、川の流れが急なところ。  お釈迦さん=「おしゃかさん」と読み、紀元前500年頃のインドで真理をさとって仏教をひろめた人。  性質=「せいしつ」と読み、あるものにそなわっていて他のものと区別できるもの。  見抜く=「むぬく」と読み、表面にあらわれていない本当の性質のようなものを見つけること。  あぶく=水のあわ。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、仏教の立場から見たとき、煩悩にとらわれて迷っている普通の人。  さとり=心の迷いを取り除いて本当のことを知ること。 

いわれ(歴史)と重要度

雑阿含・泡沫経。   金剛般若経。   法句経170番。   性霊集巻8。   方丈記。    観心覚夢抄。     重要度=☆   難易度=ふつう

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泡沫夢幻