●他力本願

読み(ひらがな)

たりき ほんがん

意味

自分では努力しないで、他人の力によって何かをしようとすること。

解説

この四字熟語は、元の意味が転じて上のような内容になりました。 元の意味は、親鸞の書いた「教行信証」の行の巻にある「他力と言ふは、 如来の本願力なり」から生まれているようです。 この場合の本願力というのは、仏菩薩が衆生を救おうとして願うちからであって、 そのちからが、我々凡夫の心に届き、自らの作為ではなく、自然に向こうから やってくる何かを本願力と呼んだのだと思います(念仏は自力による実践です)。 つまり、凡夫の心が浄土に入って生まれることであり、仏菩薩に近づくための 準備が整ったということだと思います。また、浄土は、西方極楽浄土とは限らず、 現世の人心にもあるということです。「地獄極楽は心にあり」 ということわざもあります。 如来の本願力を信じて、念仏を実践することが大切なのだと思います。

重要語の意味

他力=「たりき」と読み、@如来の本願力。A他人の力。  本願=「ほんがん」と読み、@仏菩薩が一切衆生を救おうとして立てた願い。A本来の願い。  他=ほか。べつの。  力=ちから。はたらき。  本=もと。ただしい。  願=ねがう。ねがい。  努力=「どりょく」と読み、ある目的のために力をつくすこと。  他人=「たにん」と読み、自分以外の人。  親鸞=「しんらん」と読み、浄土真宗を開いた鎌倉時代の僧。[1173-1262]。  教行信証=「きょうぎょうしんしょう」と読み、親鸞が書いた浄土真宗の教義。教えと実践と信心と悟りについての書物。  如来=「にょらい」と読み、阿弥陀如来。釈迦如来。仏。  仏菩薩=「ぶつぼさつ」と読み、仏と菩薩。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、煩悩から逃れられず迷っている人。愚痴の人。  届く=「とどく」と読み、目的の所まで行きつく。  自ら=「みずから」と読み、自分から。  作為=「さくい」と読み、自然の状態に手を加えること。  自然=「しぜん」と読み、ありのままであるようす。ひとりでに そうなるようす。  実践=「じっせん」と読み、実際に行うこと。  浄土=「じょうど」と読み、仏や菩薩が住む清らかな世界。清浄国土。西方極楽浄土。  準備=「じゅんび」と読み、何かをする時あらかじめ用意しておくこと。  整う=「ととのう」と読み、足りないものがなく そろう。  現世=「げんせ」と読み、現在生きているこの世界。  人心=「じんしん」と読み、人間のこころ。 

いわれ(歴史)と重要度

教行信証・行の巻。    歎異抄・第十六条。   重要度=☆☆☆   難易度=むずかしい   熟語分類=仏教。

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他力本願


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