●痘痕も靨

読み(ひらがな)

あばたも えくぼ。

意味

心をうばわれるほどに、相手のことが好きになると、悪いところも、とても良いものに 映ってしまうというたとえ。

解説

好きになった人の天然痘にかかってできた跡のくぼみが、かわいいえくぼに見えてしまうという ことから生まれた句。句の前に「惚れた欲目には」をつける場合もあるようです。 同類の英語のことわざ=Love covers many infirmities.(愛は多くの欠点を隠す)

重要語の意味

痘痕=「あばた」と読み、天然痘にかかると小さな粒状のできものができ、 それが化膿してかさぶたになり、直った後のくぼみ。  靨=「えくぼ」と読み、人が笑ったときに、口元にできる小さなくぼみ、女性の場合とてもかわいく見える。  化膿=「かのう」と読み、ばい菌により、赤くはれて、うみをもつこと。 

いわれ(歴史)と重要度

中国の清の時代の書物、通俗編(つうぞくへん)。   重要度=☆☆☆

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天然痘

天然痘は、発病すると死亡率が高い病で、かつては、とても恐ろしい病気として知られ、全世界で発病していたようです。 天然痘は、法定伝染病の一つで、ウィルスによって感染し、高熱を発し、頭や腰の痛みの後、 全身に赤い発疹が現れる病気のようです。現在は、「種痘」によって、予防され、 1980年にはWHOにより根絶宣言されているようです。 日本では、別名「ほうそう」、「とうそう」などと呼ばれ、「おやく」とも呼ばれていたようです。 「おやく」のやくは「厄(わざわい)」のことで、とても恐ろしい病であったことが想像できます。

えくぼ
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