●親思う心にまさる親心
読み(ひらがな)おやおもう こころにまさる おやごころ。 |
意味子供が親を思う心よりも、親が子供を思う、慈愛の心のほうが、深いということ。 |
解説江戸時代の終わりに、幕府を非難したため、安政の大獄で、処刑された吉田松陰が、死の直前に残した言葉のようです。 親孝行であった吉田松陰が、自分の処刑に当たって、親が自分の死んだことを知って、どんなに悲しむだろうかと、親に先立つ 親不孝を悲しく思って作った歌のようです。このことわざには、「けふの音づれ何と聞くらん」という下の句があるようです。 全部の句の意味は、「私が親を思う心よりも親の慈愛のほうが優れている。だから、今日の私の死を、親はどんな思いで聞くのであろうか」 となると思います。 |
重要語の意味親=子を産み、その子を育てて、やしなっていく人。父や母。子を持つ者。 思う=「おもう」と読み、心の中である人などを大切に考える。 心=「こころ」と読み、願う気持ち。 まさる=他のものよりすぐれている。 親心=「おやごころ」と読み、親が自分の子供を愛するこころ。 慈愛=「じあい」と読み、自分のことよりも他の人のことを大切にして愛すること。 幕府=「ばくふ」と読み、@武士が政治を行う権力。A武士が政治を行っていた時代に最も偉い武士(将軍)が居た所。 処刑=「しょけい」と読み、死刑を行うこと。 安政の大獄=「あんせいのたいごく」と読み、江戸末期、ペリー来航に伴い社会の混乱が多発した中、幕府に不満を持つ人たちが 尊王攘夷を持ち出したため、幕府がこれを静める為に行った弾圧。 尊王攘夷=「そんのうじょうい」と読み、天皇を中心とし幕府をしりぞけ外国人を追い払うことを望んだ考え。 吉田松陰=「よしだしょういん」と読み、長州(現在の山口県)の武士、松下村塾(しょうかそんじゅく)を開き、尊王攘夷を説いて 幕府を非難したため安政の大獄で処刑された人。[1830-1859]。 |
いわれ(歴史)と重要度吉田松陰が処刑された時に詠んだ辞世(じせい)の句。 重要度=☆☆☆ |
スポンサードリンク