●子故の闇
読み(ひらがな)こゆえ の やみ。 |
意味子供のかわいさのあまり、暗闇の中に入ってしまったように、正しい方向を見失ってしまうこと。 |
解説子供のしあわせを願う気持ちが強すぎて、まわりのようすを正しく見ることができなくなり、 間違ったことまでしてしまうことがある、ということのたとえではないかと思います。 たとえば、親が自分の人生で思うようにできなかったことを、自分の子供も同じようになってほしくないと思い、 子供の成功ばかり考え、感情的になり、物事を正しく判断できなくなってしまうことではないかと思います。 このことわざは、「後撰和歌集」という本にある「人の親の心は闇にあらねども、子を思う道にまどひぬるかな」 という和歌より生まれたもののようです。この和歌の意味は、「人の親の心は闇ではないけれども、子を思う気持ちが 強すぎると、心が闇につつまれ道に迷ってしまうのかな」ということと思います。 「道に迷う」とは、自分の子供を正しく見ることができなかったり、他人のことも正しく見ることが できなくなるという意味ではないかと思います。「子故の闇に迷う」とも言います。 |
重要語の意味子=「こ」と読み、こども。両親から生まれた人。また、両親が育てた人。 故=「ゆえ」と読み、@、、、のため。 、、、だから。A原因。 闇=「やみ」と読み、くらいこと。思慮分別のないこと。 あまり=程度がひどいようす。 暗闇=「くらやみ」と読み、光がなくて周りがよく見えないこと。 方向=「ほうこう」と読み、進むべきところ。身のふり方。 見失う=「みうしなう」と読み、わからなくなる。 願う=「ねがう」と読み、こうなってほしいと思う。 気持ち=「きもち」と読み、子供に対して起こる心の持ち方。感情や思いなど。 強い=「つよい」と読み、程度が大きい。 間違い=「まちがい」と読み、正しくないこと。 人生=「じんせい」と読み、人が生きてきた期間。 思う=「おもう」と読み、さまざまなことを空想したり想像したりする。 成功=「せいこう」と読み、目的や望みをかなえること。 感情的=「かんじょうてき」と読み、おこったり、かなしんだりするようす。 物事=「ものごと」と読み、さまざまなことともの。 判断=「はんだん」と読み、あることについて自分の考えを決めること。 後撰和歌集=「ごせんわかしゅう」と読み、古今和歌集に続いて作られたもので、951年に天皇の命によって集められた和歌。 和歌=「わか」と読み、日本固有のうたの形式。長歌、短歌など。 迷う=「まよう」と読み、進む方向が分からなくなる。正しい判断ができなくなる。 |
いわれ(歴史)と重要度後撰和歌集・藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)の和歌。 大学・第四章。 重要度=☆☆ 難易度=ふつう |
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