●鹿を逐う者は山を見ず

読み(ひらがな)

しかを おうものは やまをみず。

意味

ひとつのことに熱中している者は、他のことを顧みる余裕がなくなる、というたとえ。

解説

山の中で、鹿を捕らえようとして、夢中で鹿を追いかけている者は、獲物のことばかりに気をとられ、 山全体が、どのようになっているかを知ることができない、ということから生まれたことわざのようです。 山全体のようすが分からないで、道に迷うという意味があるのではないかと思います。 ひとつのことを求め、そのことだけしか考えていないと、他のことを考えないので、間違った方向へ進んでしまい、 人生に迷いを生じる可能性があるので、ひとつのことにとらわれることなく、全体をよく見るようにしなさい、 という意味があるのではないかと思います。また、利益ばかりを追い求めている者は、 他のことを考えることがないので、周りの状況や大切な道理を見失ってしまう、という意味もあるようです。

重要語の意味

鹿=「しか」と読み、ほ乳動物の1つ。山の中に住み性格のおとなしい動物。オスには頭に角がはえる。  逐う=「おう」と読み、目的となるものをつかまえようとして追いかける。もとめる。  者=「もの」と読み、ひと。人間。  山=「やま」と読み、平地より高くなっていて木や草が多くはえ人があまり住んでいないので道に迷いやすい所。  見ず=「みず」と読み、見ない。知ることがない。どうなっているのかが分からない。  熱中=「ねっちゅう」と読み、ひとつのことに心を集中すること。  顧みる=「かえりみる」と読み、過ぎたことなどを思いおこして考える。  余裕=「よゆう」と読み、ゆとり。  捕らえる=「とらえる」と読み、求めているものを取り押さえ自分のものにする。  獲物=「えもの」と読み、狩りなどで捕らえる動物。しか。けもの。とりなど。  利益=「りえき」と読み、ある人にとって得となること。よいこと。  状況=「じょうきょう」と読み、変化している物事のようす。そのときのようす。  道理=「どうり」と読み、物事の理屈に合ったすじみち。正しい真実。 

いわれ(歴史)と重要度

淮南子(えなんじ)。   虚堂録(きょどうろく)。   重要度=☆☆☆   

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鹿
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