●寂滅為楽

読み(ひらがな)

じゃくめつ いらく

意味

心が静まった涅槃の境地こそ、本当の楽である、ということ。

解説

この四字熟語は、大乗仏教の涅槃経の中にある雪山偈の最後の句です。 それは、「諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽」です。 日本語で言い換えますと、「もろもろの行は無常であり、これは生滅の法である。 この生滅が滅し終われば、寂滅の境地となり、これが楽である。」となります。 つまり、諸行が無常であるという生滅の法を知って、その生滅を乗り越えた ところに、安楽の境地があるということだと思います。 この雪山偈は、日本で古くから僧侶の間で親しまれ、やがて「いろは歌」 となって日本語にまとめられたようです。

重要語の意味

寂滅=「じゃくめつ」と読み、涅槃の境地。煩悩の炎が消え去った心の状態。心の活動が静まった状態。  為楽=「いらく」と読み、楽となす。楽である。  寂=しずか。しぬ。  滅=ほろびる。きえる。しずむ。  為=なり。である。  楽=やすらか。らく。たのしい。  涅槃=「ねはん」と読み、サンスクリット語の音に似せて作った語。寂滅と漢訳された。  楽=「らく」と読み、安楽であること。軽安(きょうあん)。  大乗仏教=「だいじょうぶっきょう」と読み、釈尊が説いた仏教の後、民衆の中から生まれた万人成仏を基本にした仏教。  涅槃経=「ねはんぎょう」と読み、釈尊の死の前後のようすを示した経典。阿含長部経典と大乗経典がある。  雪山偈=「せっせんげ」と読み、釈尊の前世とされる雪山童子が雪山で羅刹(らせつ)から聞いた偈。施身聞偈。  諸行無常=「しょぎょうむじょう」と読み、諸行は無常なり。  是生滅法=「ぜしょうめっぽう」と読み、是れ生滅の法なり。  生滅滅已=「しょうめつめつい」と読み、生滅、滅しおわりて。  寂滅為楽=「じゃくめついらく」と読み、寂滅を楽と為す。  行=「ぎょう」と読み、おこなうという意味であるが、この場合は五蘊の行であると思われる。  生滅=「しょうめつ」と読み、生まれては消えることを常に繰り返し起していること。  境地=「きょうち」と読み、心の状態。  安楽=「あんらく」と読み、安らかで心地よい状態。幸福を感じること。  いろは歌=「いろはうた」と読み、日本語に当たるすべての語(音)を使ってあらわした歌。いろはにほへとちりぬるを。  釈尊=「しゃくそん」と読み、釈迦牟尼世尊の略。ブッダ。仏教を始めた尊者。 

いわれ(歴史)と重要度

涅槃経。   重要度=☆☆☆       難易度=むずかしい。   熟語分類=仏教。

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寂滅為楽


ワクチンの真実