●四弘誓願

読み(ひらがな)

しぐ せいがん (しぐぜいがん)

意味

仏教語で、菩薩が持つべき四つの誓願。@衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)。A煩悩無尽誓願断(ぼんのうむじんせいがんだん)。 B法門無量誓願学(ほうもんむりょうせいがんがく)。C仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)。

解説

大乗仏教で、仏法に対して信心を持った菩薩が、発心し、仏道を成就するために立てる4つの願い。 @衆生無辺誓願度=衆生は無辺なれども誓って度せんことを願います=人々の数は多く限りがないが必ず救って悟りに導くことを誓います (多くの人たちが仏法を理解し皆が幸せになるよう努めます)。 A煩悩無尽誓願断=煩悩は無尽なれども誓って断ぜんことを願います=尽きることなくわき起こって来る煩悩を断ち切ることを誓います。 B法門無量誓願学=法門は無量なれども誓って学ばんことを願います=仏の法はとても広く深いものですが学んで身につけることを誓います。 C仏道無上誓願成=仏道は無上なれども誓って成ぜんことを願います=仏の道は限りなく高いところまで続いていますが必ず完成させることを誓います。 摩訶止観では、止観を修する時の誓いとして紹介されているようです。ここでは禅宗系のものを載せましたが、宗派により語句が多少異なっているようです。

重要語の意味

四弘=「しぐ」と読み、4つの大きな。  誓願=「せいがん」と読み、仏や菩薩が自分を含めた全ての人々を救おうと決心しそれをなしとげるよう誓い願うこと。  誓う=「ちかう」と読み、あることをすると約束し決心すること。  衆生=「しゅじょう」と読み、人間を含む全ての生き物。  無辺=「むへん」と読み、はてしがないこと。  度=「ど」と読み、苦しみの世界から悟りの世界へわたること。  煩悩=「ぼんのう」と読み、貪瞋癡(とんじんち)の三毒。むさぼり、いかり、ぐち、おごり、うたがい、妄念など。  無尽=「むじん」と読み、尽(つ)きることがないこと。  断=「だん」と読み、たち切る。切り離す。  法門=「ほうもん」と読み、仏の教え。仏法。仏教の入口。  無量=「むりょう」と読み、はかり知れないほど多いこと。  学=「がく」と読み、学んで身につける。  仏道=「ぶつどう」と読み、仏の説いた実践方法。八正道。三十七菩提分法。六波羅蜜。悟りなど。  無上=「むじょう」と読み、上がなくて最も高いこと。  成=「じょう」と読み、なしとげる。成就する。  菩薩=「ぼさつ」と読み、慈悲の心で衆生を導く大乗仏教の修行者。  仏法=「ぶっぽう」と読み、縁起。四諦。五蘊。六処。十八界。三法印など。  摩訶止観=「まかしかん」と読み、天台大師智が講義した内容を書き表した禅の書。  止観=「しかん」と読み、禅定と智慧。 

いわれ(歴史)と重要度

摩訶止観。   心地観経(しんじかんぎょう)。   重要度=☆

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四弘誓願

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