●外面似菩薩内心如夜叉

読み(ひらがな)

げめん じ ぼさつ ないしん にょ やしゃ。

意味

外から見た感じは、菩薩のように美しくやさしい顔だが、心の中は、鬼のように恐ろしい人のこと。

解説

表面上は、やさしそうに見えるけれど、心の中では、鬼のように恐ろしいことを考えている人、ということのようです。 この言葉は、特に、仏道の修行をしている男性が、4つの戒めのひとつである女性との性的な交わりを禁止し、それを守るために、 方便として用いられていた言葉のようです。主には、女性のことをあらわし、女性を差別する原因を作る言葉ですから、 今の時代には、ふさわしくないのですが、ほとんどの辞書にのっているのが不思議に思います。 「外面(がいめん)は菩薩(ぼさつ)に似(に)、内心(ないしん)は夜叉(やしゃ)のごとし」と読みくだすようです。

重要語の意味

外面=「げめん」と読み、外から見た表面上のこと。うわべ。がいめん。  似=「じ」と読み、にる。にせる。  菩薩=「ぼさつ」と読み、人を救うため慈悲の心で人々を導こうとする者。  内心=「ないしん」と読み、外から見えない心。心の中。心のうちがわ。  如=「にょ」と読み、おなじ。ひとしい。  夜叉=「やしゃ」と読み、顔や姿がみにくく乱暴で意地わるい鬼神。  鬼=「おに」と読み、情けがなく乱暴でおそろしい想像上の生き物。  恐ろしい=「おそろしい」と読み、こわい。  仏道=「ぶつどう」と読み、仏の説いた修行のやりかた。  修行=「しゅぎょう」と読み、仏の教えに従って悟りを得ようと努力すること。  4つの戒め=「よっつのいましめ」と読み、煩悩をしずめるために最も重要となる禁止行為。 @婬。A盗み。B殺生。C妄語。いずれかの戒めを犯すと破門となる。  性的=「せいてき」と読み、男女の性欲に関すること。  交わり=「まじわり」と読み、男女が体で接すること。  禁止=「きんし」と読み、してはいけないこと。  方便=「ほうべん」と読み、難しいことなどを別の方法であらわすこと。  鬼神=「きしん」と読み、@ばけもの。A乱暴で恐ろしい神。  不思議=「ふしぎ」と読み、なぜそのようになるのかを考えてもわからないこと。 

いわれ(歴史)と重要度

鎌倉時代初期の仏教説話・宝物集(ほうぶつしゅう)。   華厳経。   重要度=☆☆☆   超古風

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菩薩
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