●肉食った報い

読み(ひらがな)

しし くったむくい。

意味

禁じられていることをした結果として受ける、当然の報い。

解説

仏教には不殺生戒があったため、飛鳥時代から、獣の肉を食べない習慣が生まれ、 江戸時代の終わりごろまで続きました。そのため日本人は、獣の肉は、ほとんど食べず、 主に魚や鳥などの肉を食べていたのではないかと思います。また、 伊勢神宮では、身を清めるためか、猪と鹿は遠ざけられていたようです。また、 別の神社では、鹿は神の使いとして大切にされていたため、鹿の肉を食べると 罰を受けると考えられていたため、このようなことわざが生まれたのかもしれません。 いずれにしても、悪い事をすれば、その報いとして、苦しみやわざわいなどを 受けなければならないということだと思います。

重要語の意味

肉=「しし」と読み、猪や鹿の肉。または、獣の肉。  食う=「くう」と読み、たべる。口に入れて噛んでのみ込む。  報い=「むくい」と読み、悪い事をした結果、その人が身に受けるもの。  禁じる=「きんじる」と読み、あることをしてはいけない。  結果=「けっか」と読み、あることが原因となってあらわれたこと。  受ける=「うける」と読み、身にこうむる。  当然=「とうぜん」と読み、あたりまえ。必然。  仏教=「ぶっきょう」と読み、飛鳥時代から長く日本文化の礎となった宗教。  不殺生戒=「ふせっしょうかい」と読み、生き物を殺さないというきまり。特に獣などの肉を食べない習慣。  飛鳥時代=「あすかじだい」と読み、奈良盆地の飛鳥地方に都を置いた時代。538〜645年。  獣=「けもの」と読み、毛が生えているどうぶつ。牛、馬、羊、猪、鹿、兎など。  習慣=「しゅうかん」と読み、長い間行われている決りごと。  江戸時代=「えどじだい」と読み、徳川家康が征夷大将軍に任ぜられ江戸に幕府を置いた時代。1603〜1867年。  伊勢神宮=「いせじんぐう」と読み、三重県伊勢市にある神社。天皇の守護神として最も古い神社。神宮。  清める=「きよめる」と読み、けがれを取り除いてきれいにする。  猪=「いのしし」と読み、ブタに似ている動物。肉は山くじらと呼ばれ食用にされた。  鹿=「しか」と読み、ほにゅう類の動物。雄は頭上に角が生える。多く山に住む。  神社=「じんじゃ」と読み、神さまをお祭りしてあるところ。加茂神社。春日大社。  罰=「ばつ」と読み、罪やあやまちに対するこらしめ。  わざわい=わるいこと。 

いわれ(歴史)と重要度

倭訓栞(わくんのしおり)。   重要度=☆☆☆       難易度=ふつう

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