●色即是空

読み(ひらがな)

しきそく ぜくう

意味

人間を構成する五蘊のひとつで、目に見える肉体という存在は、無常で無我である、 さまざまな因縁に従って和合している現象であるため、肉体というものの本当のすがたは無に等しい、ということ。

解説

この句は仏教の般若心経に出てくる四字熟語で、般若心経の中でも最もよく知られた言葉です。 「色すなわち、これ空なり」と読み下します。色とは広い意味では、この世界に存在する全ての物事のことで、 空とは因縁和合を短く言いかえた言葉ではないかと思います。つまり、この世界に存在している全ての物体や現象は、 常に生滅を繰り返し変化しながら、さらに、長い年月をかけ、さまざまな原因や条件によって 互いに影響し合って生じ、今も、同じように、さまざまな原因や条件によって互いに影響し合って生じているため、 ただひとつの物が単独で存在し得るものは何もない、ということと解釈しています。 この四字熟語は、悟りを得た菩薩の智慧の内容を表した非常に難しい言葉なので、説明がややこしい文章になってしまいました。 もっと詳しく知りたい方は、般若心経の解説書を読んでみてください。 また、この熟語は、非常に難しすぎるので、この言葉にこだわるより、仏教の基本(四諦など)をじっくり学んだほうが、 よいのかもしれません。

重要語の意味

色=「しき」と読み、@五蘊の1つである肉体。また、この世界に存在する全ての物体や現象のこと。A狭い意味で、目で認めることのできるいろとかたち。  即=「そく」と読み、すなわち。つまり。言いかえれば。  是=「ぜ」と読み、これ。  空=「くう」と読み、@無常であり無我である現象。さまざまに因縁和合していること。A何もないこと。  五蘊=「ごおん」と読み、人を形作っている5つの要素。色(肉体)、受(感受)、想(思い)、行(意志)、識(認識)。  無常=「むじょう」と読み、この世界が常に変化し、ひとときもとどまることがないこと。  無我=「むが」と読み、存在する個体(物体)には主体となる我というものがないということ。私という主体がないこと。いろいろなものが集まっているということ。  因縁=「いんねん」と読み、原因と条件。  和合=「わごう」と読み、互いに影響し合って生ずること。網の目のように互いにつながり合い成り立つこと。  主体=「しゅたい」と読み、ただひとつの中心となるもの。  般若心経=「はんにゃしんぎょう」と読み、お釈迦様の悟り(智慧)の内容を262文字の短い文章で書き表したお経。「空」について書かれた文章。「摩訶般若波羅蜜多心経」。  菩薩=「ぼさつ」と読み、苦しみの原因を明らかにしようと修行をしている者。 

いわれ(歴史)と重要度

般若心経(はんにゃしんぎょう)の中の句。   重要度=☆☆

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色即是空

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