●見るに目の欲、触るに煩悩

読み(ひらがな)

みるに めのよく、さわるに ぼんのう。

意味

見ることによって、それがほしいと思い、触ることによって、さらに気持ちがふくらんで煩悩へと育っていく、ということ。

解説

人は、外にあるものを見ると、自分にとって好ましいものには、ほしいなあと思うのが自然な気持ちです。 さらに、ほしいものに触れることによって欲が変化し煩悩へと育っていく、ということを仏教の立場から、 あらわしたことわざではないかと思います。たとえば、 @食べること。A恋愛。について考えてみますと、見ている間は、どちらも欲でしかありませんが、 @食べる。A相手と話をする、手をにぎる、キスをする。ことによって、見るものに触れることになります。 この触れる気持ちがふくらんで、ねじれてくると、@もっと食べたいという気持ち。A好きと嫌いから生じる相手との 不調和。へと育っていく、ということではないかと思います。物欲についても同じことが考えられます。 欲のままでとどまっていられれば、いいのですが、欲がふくらんで、さまざまな思いがわき上がってくると 煩悩になってしまうから注意しなさいよ、と教えてくれているように思います。

重要語の意味

見る=「みる」と読み、目によって外の世界にあるものを知る。外のものを自覚する。  に=動作の起こる原因をあらわす語。  目の欲=「めのよく」と読み、心がほしいと思っていること。  触る=「さわる」と読み、接触する。ふれる。かかわりも持つ。  煩悩=「ぼんのう」と読み、貪瞋癡(とんじんち)の三毒。むさぼり、いかり、おろかさ。  気持ち=「きもち」と読み、心にあらわれる思いや感情。  育つ=「そだつ」と読み、大きくなる。  好ましい=「このましい」と読み、すきである。  自然=「しぜん」と読み、人がもともと持っている性質。  触れる=「ふれる」と読み、さわる。  欲=「よく」と読み、あるものを欲しいと思う心。あることをしたいと思う心。  仏教=「ぶっきょう」と読み、お釈迦さんが説いた教え。ブッダの教え。  食べること=「たべること」と読み、健康を保つためにたべものを取ること。食欲。  恋愛=「れんあい」と読み、男女がお互いに求めあうこと。性欲。  相手=「あいて」と読み、自分と相対する人。  ねじれる=ひねくれる。すなおでなくなる。  好き=「すき」と読み、ある人に心をひかれること。  嫌い=「きらい」と読み、きらうこと。いやだと思ってさけること。  不調和=「ふちょうわ」と読み、調和しないこと。相手とうまくやっていけないこと。  物欲=「ぶつよく」と読み、ものやお金に対する欲。 

いわれ(歴史)と重要度

毛吹草。     重要度=☆☆   難易度=ふつう

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